「在宅ひとり死のすすめ」(上野千鶴子)

タイトルからして常識を覆す内容だ。
「在宅」と「ひとり」がポイント。
まず「ひとり」から。老後はひとりの方が幸せだという。一般にひとりのほうが不幸せというのは、調査に貧困層が多く含まれるからであり、中流に限定した調査ではそうなるという。 2人が最も幸福度が低く、ひとりは4人と同程度に幸福という。ひとり=さみしいというイメージも、慣れと、仲間の存在により変わる。 
「在宅」は病院や施設よりも在宅がいいという意味で、値段的にもお得で満足度が高い、という主張。誰も施設になんか入りたくない、施設に入れたいのは家族の都合だ、 というのはそのとおりだと思う。 
気ままに慣れ親しんだ家で、誰に気兼ねすることなく暮らせるのがいい、ということで、そのための環境整備や介護保険などについても論じている。